安西くんを愛でる

安心して推せる推しの仕事について

いつか白き虎となり、狼よりも遥か高く

もののふ白き虎

10月3日のソワレ、4日のマチソワ観劇しました。

わたしは東京、名古屋公演は行けなかったので待ちに待った大阪公演でした。

ツイッターでの前評判も良く、ただ安西くんが出ているという贔屓目ではなく作品として、とても楽しみにしていました。

 

先入観を持たずに観劇したほうがいいと教えていただいたこともあり、見たい気持ちを抑えてネタバレを読まずに当日を迎えました。

 

個人的にオープニングの、明治時代に入って新しい生活を始めた平和な街並みが好きです。

でもその平和になる少し前にあの悲劇があったと思うと、感慨深いものがありますね。


昔の人はそんな話し方じゃなかったろうなというような台詞の言葉遣いだったり、かなえちゃんの着物だったり、ちょっとひっかかる部分もありましたが、そんなことはどうでもいい。

大切なのはお話ですよね。

わたしの中で白虎隊の知識は、会津で少年たちがたくさん死んだって言うぐらいしかなかったのですが、史実も創作も知らずに見た白虎隊がわたしの中の白虎隊のイメージになりました。

もちろん史実の勉強は興味深いですし、わたし自身会津に行きたいと思っていますが、もののふ白き虎の白虎隊がわたしの中の白虎隊のイメージになってよかったな。ちなみにわたしの新選組のイメージは風光るです。


飯沼貞吉

安西くん演じる飯沼貞吉は白虎隊の唯一の生き残りです。

流星くん演じる伊藤悌次郎とは親友ですが、ライバルでもあり、なに一つ敵わなかった憧れの相手でした。

悌次郎もまた、貞吉には敵わないと思っていました。


お話は斎藤と貞吉の二人が酒を飲みながら昔話をするところから始まります。

斎藤は新選組の生き残り、貞吉は白虎隊の生き残り。

わたしのイメージでは斎藤は時代をすり抜けて生き抜いたという感じ。一方貞吉は生き残ってしまった(あくまでも貞吉自身の考え)というイメージです。


書きたいことがどうしても上手くまとまらないので、読みにくくなります。すみません。


貞吉は白虎隊ではどういう存在だったのでしょう?

朝まで鍛錬をして寝坊してしまうことが貞吉ならやりそうだなあって思われてるということは、誰よりも練習に時間を掛けていること、それが苦じゃないことが伺えます。

ストーリーテラーという役割からかはわかりませんが、謙遜するように常に一歩引いたところにいたような感じもしました。相手を立てるということもしていたように思います。

わたしは貞吉の優しい笑顔が大好きでした。白虎隊の仲間と一緒にいる時のみんなを見渡して儚げな笑顔を見せるのが、本当に幸せそうで、でも胸が締め付けられるような…あの安西くんの笑顔は忘れないと思います。


自分に自信がないんだけど、気持ちは誰よりも強くなりたくて、悌次郎に認めてもらいたくて。

でも悌次郎はとっくに貞吉のことを認めているし、そんな貞吉に憧れてもいたんですね。

言葉にして思いを伝える大切さ、言わなくてもわかり合える思い、両方の大切さを感じました。


大会で勝ち残った者上位18名が白虎隊に入れることになり、みんなやる気満々になってるとき、貞吉も自分には刀しかないから白虎隊に入りたい。でも悌次郎も勝太郎もいるし、自分よりもすごい相手がたくさんいる。

そんな不安な気持ちと、それでも勝ち残って自分の力で18名の中に入りたいと思う気持ちと…

そんな時に勝太郎との勝負の前に悌次郎が貞吉に自分の弱点である下からの突き上げ、切り返しの胴切りを教えます。

悌次郎は自分の弱点を教えてまで貞吉に勝ってほしいという思いがあったのかもしれません。


この作品では、悌次郎から見た貞吉というのは少ししか描かれていませんが、貞吉のことを憧れ、嫉妬していたのは悌次郎も同じでした。


どなた様もおっしゃっておりますが、悌次郎から見た貞吉、他の隊員から見た貞吉を描いたスピンオフも見てみたいですね。


個人的に一番泣いてしまったのは、保鉄のシーンです。

保鉄は仲間にも言えない秘密を一人で抱え込んでいました。

わたしは、保鉄がいつから密偵をしていたのかわかりません。

でももし仮に、鍛錬を腹痛と言って休んでいたあの頃から密偵として潜入しろと言われていたら。いろんな理由で鍛錬をせず頼母様にどつかれ、仲間からも信頼されなくなり、白虎隊から追い出されていたら。

自分の同胞を裏切るぐらいなら、そうやって自分だけを犠牲にして仲間を、会津を守ろうとした保鉄の気持ちがあったのかも。と考えてしまいました。

これはあくまでもわたしの考えですけど。


気付いてやれなくてごめん。という仲間からの言葉に、そんなこと言わないでという保鉄。

自分がしたことは決して許されることではないのに、いっそお前なんて仲間じゃないって言われることも覚悟していただろう保鉄に仲間がかけてくれた優しい言葉に何度泣いたことでしょう。


貞吉、悌次郎、保鉄についてしか話していませんが、本当にどの隊員も愛しくなるんです。

儀三郎も和助も勝太郎も新太郎も茂太郎も、みんな愛しく思えるんです。

本当に出会えてよかった作品でした。

DVDが出たら、家族とも見ようと思いました。